tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と「障碍者制度改革推進会議」-1

新政権の下、昨年12月8日閣議決定により内閣府に「障碍者制度改革推進本部」が設置され動き出しました。本部長は鳩山総理、副本部長が平野博文官房長官福島瑞穂内閣府特命担当大臣障碍者施策)です。他のすべての国務大臣も本部の構成員です。


推進本部は「障碍者権利条約の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障碍者に係る制度の集中的な改革を行うため、閣議決定により設置されたもの」で当面5年間を障碍者制度改革の集中期間と位置づけ、改革推進に関する総合調整、改革推進の基本的な方針の案の作成及び推進、「障碍」の表記の在り方に関する検討等を行うと定めています。


12月15日に鳩山首相以下全閣僚出席の下、初会議が開催され挨拶に立った鳩山総理は冒頭従来の「障害」の表記を見直すと明言しています。


本部の下位に障碍者制度改革推進会議(以下「推進会議」)を設置し会議の構成員は障碍者障碍者の福祉に従事する者、学識経験者などと規定され当初指名された委員は24名で内14名が障碍当事者またはその家族などです。必要に応じ部会が開催されることになっています。


事務局も民間から登用された東俊裕室長・参与(弁護士・障碍当事者・ポリオで車椅子使用)を中心に泉健太政務官などが後方からサポートする体制です。


推進会議は今日までに3回開催されました。会議はすべて公開され傍聴も可能ですが会議室の都合で傍聴者数に限度があるのは残念です。但し4時間の会議全部が録画され動画が配信されます。資料も公開され議事録も事後見ることができます。以下の内閣府サイトをご覧ください。
    ↓
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi


第1回は1月12日で議長に小川栄一氏を選出、議長代行には藤井克徳氏が選任されました。藤井氏は視力障碍者で映画「ふるさとをください」を企画した人です。委員の自己紹介と会議の進め方の協議で時間がきました。冒頭の挨拶で福島大臣は「この会議にコペルニクス的変革を期待する」と述べましたがそうなって欲しいものです。


2月2日の第2回は障碍者基本法関係の議論に終始し第3回は障碍者自立支援法に代わる総合福祉法(仮称)について意見交換がなされました。障碍者の雇用については時間がなく第4回への持ち越しとなりました。第4回は明日3月1日に開催されます。議題は障碍者雇用問題と差別禁止法です。


今後は月2回のペースで開催され各4時間ですので委員の皆さんは大変ご苦労だと思います。事後に240分のビデオを観るだけでも疲れますので。


従来精神障碍関係の声が小さいと言われていましたのでこの点を一番心配しましたが障碍当事者の関口委員の発言は明快でたのもしいとさえ感じました。所属が全国精神病者集団代表ということで他の委員の注目を集めているようです。全国精神病者集団は医療観察法反対運動で著名であり過激な発言を予想し懸念していたのですが。これも私自身のステイグマの故でしょうか。北野委員の論旨も筋が通っており今後に期待が持てます。部外者たる堂本元千葉県知事も精神分野に造詣が深く的を射た発言におもわず拍手を送りました。


メデイア対策が不充分だと感じています。推進会議に関する報道の量があまりにも少なすぎます。一般市民に興味を示してもらえる議題から入ると報道にも力が入るでしょう。法令問題は一般受けしません。折角鳩山首相が冒頭で発言されたのですからこれを素直に受けて「障碍」の表記問題から入ると報道陣も含めて入りやすく国民も話題にしやすいと思うのですが。世論の支持を得るための戦略も必要ではないかと考えます。