宝塚市が「障碍」表記を公式採用 全国初
今日の朝刊各紙は全国の自治体に先駆けて宝塚市が「障碍」表記の採用を決めたことを報じています。各紙のURLを下記しておきます。
毎日新聞 関西版 朝刊1面 関東版 朝刊 社会面
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https://mainichi.jp/articles/20190204/k00/00m/040/206000c
日経新聞記事
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40896850V00C19A2AC1000/
共同通信の配信記事
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https://this.kiji.is/465200546197980257?c=113147194022725109
遅まきながら以下に年頭所感を掲載します。宝塚市が「障碍」表記の採用を決定したことを踏まえてお読みください。「碍」の字の常用漢字化に向けての大いなる一歩前進だと確信しています。
2019年1月4日
年頭に想う
障害者の権利に関する国際基本条約である「障害者権利条約」や国内法規である「障害者基本法」「障害者差別解消法」をそれぞれ石偏の「碍」を使用した「障碍者権利条約」「障碍者基本法」「障碍者差別解消法」と表記して何の不都合があるのでしょうか。
日本以外の漢字文化圏にはウ冠の「害」を使用した「障害」なる表記は存在せず、「妨げ」「バリアー」を意味する漢語は、古来、全て石偏の「障碍」が使用され今日に至っています。漢字文化圏では石偏の「障碍」が常識なのです。
戦前の昭和7年(1932年)には、現在の生活保護法の前身である、救護法が成立していますが、そこには戦後の「障害者」表記の原型となった「精神的又は身体的に障碍のある者」と石偏の「碍」を使用した「障碍」表記が見られます。
確かに、幕末になり突然出現した和製漢語、ウ冠の「障害」は、石偏の「障碍」と共に、明治期以降も大正、昭和、そして平成の現在も使用されていますが、終戦直後に漢字の制限が目的で当用漢字が制定され「碍」が使用制限の対象となるまでは、ウ冠の「障害」は殆どがモノや事象に対して使われ、ヒトに対しての使用例は少ないようです。先人は、そこはきちんと使い分けていたのでしょう。
これは昭和の小さな過ちです。古来、「過ちてはあらたむるに憚ることなかれ」と言います。これ以上後世に先送りせず、平成の内に正常化しておこうではありませんか。
豊田德治郎
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冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。
こちらは自由に複製していただいて結構です。
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