tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「碍」と「法令における漢字使用」

平成22年に常用漢字が改訂された際に、「常用漢字表」の告示と同時に内閣訓令「公用文における漢字使用等について」が定められたことに伴い、「法令における漢字使用等について」が内閣法制局長官名で発出されています。(昭和56年内閣訓令第1号「公用文にお…

「碍」と中国語

漢字圏で「碍」と「害」がどのように使い分けられているか、みてみましょう。漢字圏といえば 中国です。英語を介して観察すると、よりわかりやすいように思われます。 英語辞書 中国語訳 日本語訳1) barrier 障碍 障碍物 屏碍 障害 障害物 2) barrier free …

「碍」と「自死」

今日の産経夕刊は、最近公文書の中で「自殺」に代わり「自死」を使う地方自治体が相次いでいると報じています。自殺→自死 への表記改訂には大賛成です。 昨年4月に島根県が「自死」表記を採用し、続いて鳥取、宮城の両県がこれに倣っています。松江市や鳥取…

「碍」と正しい知識の普及啓発

まずは下記の文章をご覧ください。これは神奈川県下の某小児科医院の院長先生が、院長からの一言として、ご自分の医院のホームページに掲載しておられる文章です。明治時代に書かれたものではありません。今年の4月に書かれ現在も掲載中のものです。《院長か…

「碍」と英和対訳袖珍辞書

障がい者制度改革推進会議に対して文化庁国語課が提出した資料の中で英和対訳袖珍辞書が紹介されています。この辞書は日本最初の英和辞書で文久2年(1862年)に200冊が刊行されています。953ページからなり収録語数は3万超とのこと。編者、堀達之介は、オラ…

受難続きの「碍」

「碍」という漢字は誠に受難続きの可哀そうなことばです。まずは幕末・明治初期に編纂された日本語最初の官許の辞書《布令字弁》からはずされました。維新政府が当初、神仏分離・廃仏毀釈の方針を採ったため、「碍」の字が仏教から派生したことばということ…

「碍」とパラリンピック-2

漢字圏から東京オリンピック・パラリンピックに来日する人たちが、日本で「障害」「障害者」の表記に出くわしたら驚くに違いないということは先に書きました。それで、このたび内閣府内に新設された2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室あてに…

「碍」と「布令字弁」−2

江戸末期から明治初期にかけて、翻訳語や新造語がどんどん出てくる時代状況の中で、官許の辞書「布令字弁」が「新令辞解」(太政官日誌其他の法令書中の法律的難解語の説明書)と並んで官僚や新聞雑誌記者はもとより、小説家にも参考にされたであろうことは…

「碍」と「布令字弁」

「障」に「害」を加えた「障害」という熟語が日本独特の造語で他の漢字圏諸国では見当たらない表記であることは昨日触れました。日本以外の漢字圏で使用されている「障」と「害」にかかわる熟語には次のようなものがあります。「障碍」「障壁」「傷害」「殺…

「碍」と「パラリンピック」

久しぶりの日記です。昨年8月6日以来ですからほぼ1年経ったことになります。この間、障碍の表記問題を忘れていたわけではありませんが加齢もあって何となくぼんやり過ごしてきました。 このたび、オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まり、2020年に…