「碍」と「パラリンピック」
久しぶりの日記です。昨年8月6日以来ですからほぼ1年経ったことになります。この間、障碍の表記問題を忘れていたわけではありませんが加齢もあって何となくぼんやり過ごしてきました。
このたび、オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まり、2020年には近隣の漢字圏諸国から障碍関係者も大勢来日するはずであり、関連施設の標識や案内板・諸資料の表記などが「障害者」となっていればさぞや不愉快だろうと思う次第です。
なぜなれば、障害・障害者と「ガイ」に害を充当しているのは日本だけで他の漢字圏諸国ではすべて「碍」「礙」を使用し「障碍」「障礙」「障碍人」「障礙人」と表記しているからです。中国では「残疾人」とも表記していますが「障碍人」より合理的な表記だと思います。
漢字圏では「碍」は hinder/obstacle/barrier の意味で使用され「害」は harm/injure/hurt 場合により kill の意味でも使われています。即ち「碍」と「害」は全く別の意味で使用されているのです。
従い、漢字圏諸国からの来訪者が日本で「障害者」の標識を見て驚き不愉快に思う程度で済めばよいのですが、人権問題にまで及ぶ危惧すらあります。日本は今年「障害者権利条約」を批准したばかりであり、率先して範を示すべきでしょう。そういえば「障害者権利条約」の公式和訳も「障碍者権利条約」と改めるべきですね。