tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と宝塚市

 去る11月22日の文化審議会国語分科会における文科省自治体による「障碍」表記の使用容認発表を承けて、宝塚家族会は中川智子市長あてに「障碍」表記の採用を要望しました。以下はその要望書です。

 宝塚市は現在、「障がい」とする交ぜ書きを採用しています。宝塚家族会はメンタル分野の障碍団体で筆者は顧問を務めています。

 

                         平成301218

宝塚市長 中川 智子 様

                         宝塚家族会

                         会長 原 保子

 

      「障害」表記の「障碍」への正常化のお願い

 

拝啓 時下、ますますご清栄の段、大慶に存じます。毎々格別のご高配を賜り、

有難く厚くお礼申し上げます。

 

さて、去る11月22日に開催されました文化審議会国語分科会で、法令と

法令を引用した公文書を除き、自治体による「障碍」表記の使用に問題がないことが確認されました。

 

「障がい」とする、漢字とひらがなの表記について、第二十期国語審議会は

「交ぜ書きは、これを一概に否定するものではないが、戦後定められた当用漢字表の表外字を含む漢語を書き表す一つの便法として行われてきたもので、語の意味を把握しにくくさせることがあり、見直されるべきである」としています。

 

従い、宝塚市として、この機会に本来の表記である「障碍」の採用をご検討賜りたく、この表記は《「障碍」(妨げ・バリアー)は様々な障壁との相互作用によって生じるものである》とする障害者権利条約の主旨にも合致するものです。

 

終戦後、1946年に制定された当用漢字表から「碍」の字が外れて以降1981年に当用漢字が廃止され、後継として常用漢字表が告示されるまでの35年間、「碍」の字は実質的に使用不能であり、学校で教わることもなく、特に1956年からは「同音の漢字による書きかえ」指導により半ば強制的に「障碍」を「障害」と書きかえるよう指導がなされた経緯があります。1981年の改訂でも「碍」が常用漢字に加えられることはなく、終戦直後から今日まで、「碍」が教育の場から消えて通算72年になります。

 

精神障碍分野の最大の課題は障碍に関する正しい知識の普及啓発です。そのためには基本中の基本である「障害」表記の正常化を実施し、学校で子どもたちに正しい表記を教える必要があります。「碍」の字の常用漢字への追加が急がれる所以です。                         敬具