tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と「自死」

 今日の産経夕刊は、最近公文書の中で「自殺」に代わり「自死」を使う地方自治体が相次いでいると報じています。自殺→自死 への表記改訂には大賛成です。

 昨年4月に島根県が「自死」表記を採用し、続いて鳥取、宮城の両県がこれに倣っています。松江市鳥取市など島根、鳥取、両県下の10市も「自死」を使用しているようです。使用例として「自殺予防週間」を「自死予防週間」に変更したとのこと。

 「自死」表記使用の理由は「自殺」には「自分自身を殺す」との忌まわしさがあることを問題視し、加えて遺族への配慮が大きいようです。即ち、「追い詰められた末に死を選ばざるを得なかったことを自殺と言われると、残された者は心を痛める」との遺族の訴えに対応したものとされています。

 わたくしの記憶が正しければ、「自殺」表記は問題だとして「自死」への変更を最初に提唱したのは京都の石倉紘子さんだったと思います。石倉さんは、京都の華頂短大の講師(兼)「こころのカフェきょうと」の代表で、10数年前にはじめてお目にかかった折に頂戴した名刺にはすでに「自死遺族サポートチーム」と印刷してありました。「こころのカフェきょうと」は自死遺族の団体です。

 1,700人以上の遺族でつくる「全国自死遺族連絡会」(仙台市)は「自死」への変更を国に要望しているとのこと、厚労省文科省は即刻、協議して国として法令等の公文書での「自死」表記の採用の可否の結論を出すべきだと思います。「痴呆症」から「認知症」への表記変更は厚労省の主導でわずか1年で結論を出したと聞いています。

 異論がないわけではなく、「死を美化しているように聞こえる」とか「自死では事の重大さが伝わらない」、あるいはケースバイケースでの使い分けといった意見もあるようですが、まずは国が率先して範を示す必要があるでしょう。あとは、表現の自由に任せておけばしかるべきところに落ち着くのではないでしょうか。

 同様に、法令等の「ショウガイ」の公式表記についても、国は早急に結論を出すべきです。「障害」「障碍」「障がい」の混在状態の放置は好ましくありません。