「碍」と正しい知識の普及啓発
まずは下記の文章をご覧ください。これは神奈川県下の某小児科医院の院長先生が、院長からの一言として、ご自分の医院のホームページに掲載しておられる文章です。明治時代に書かれたものではありません。今年の4月に書かれ現在も掲載中のものです。
《院長からの一言》
大変な事 2014.4.16
大変な事になりました。 降って湧いた災難とはこの事です。 私が昔、仕事を始めた場所、栗谷4丁目 という場所で セブンイレブン のある信号から南生田小の方へ曲がってちょっと行った所ですが、その隣にアパートができ、精神障害者の NPO が10人の 統合失調症 (昔の分裂病) を入居させると言ってきたのです。 突然の事で回りはみな驚き、住宅街にそれは困ると反対運動をし、署名して その NPO に出したり、大家さんに出したりしました。
驚いた事に、法律はもう何の味方もしてくれないというのです。 皆さんの隣にいきなり精神障害者が大勢来ても、どうしようも無いというのはおかしくないでしょうか?
あそこは、小学校、中学校に通う子供達も通ります。お墓参りの方々も通り、夜遅くまで人が歩く私達の生活道路です。 そこに突然10人の精神障害者が入居し、11時から午後8時まで一人 NPO の人がいるそうですが、その他の時間は誰も見ていません。 これでは安心できません。 川崎市は安全、安心な街、を目指しているのではないでしょうか? 回りの住民の不安は、しらんぷりでしょうか?
この、統合失調症の方々の症状は変動がある、と医師が明言しました。 通院して薬は貰っているそうですが、変動したらどうするのでしょうか? 誰が責任を持って対処するのでしょう?
そして、この NPO は 毎年、川崎市の税金から2億4000万もの貰っているそうです。正直にいうと、私は働くのがイヤになりました。
この精神障害者に入居に反対する署名をはじめますので、賛成して戴ける方は、署名して下さい。受付においておきます。(了)
以上が院長先生の一言ですが、この先生は思ったことをそのまま書かれていて大変に正直な方だと思います。今も口には出さなくとも本音ではこのように反応されるかたが大勢いらっしゃるものと推察されます。身体障碍・知的障碍・心的障碍の3障碍の中でも心的障碍についての正しい知識の普及啓発が急務であると訴える所以です。日本の心的障碍者(精神障害者)の総数は320万人で、うち触法周辺の人は0.1%未満(健常者より低位)というのが現実の姿です。
「精神障害者」という表記には強烈なステイグマが刷り込まれています。加えて人を殺すとの意味もある「害」の字も含まれています。「精神障害者」という言葉を人前で発することはエチケット違反とも感じられます。もしそうであれば「精神障害者」に代わる言葉が考案されてしかるべきでしょう。正しい知識の普及啓発を進めるためにはソフトなアプローチも必要でしょう。そのソフトアプローチの手段の一つが「精神障害者」の代替表記としての「心的障碍者」の活用です。精神→心的 障害→障碍 です。以上の理由で「障害」から「障碍」への表記の正常化は特に心的障碍の分野での正しい知識の普及啓発の促進の局面で大きな効果が期待されます。