tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と松崎哲久衆院議員

松崎哲久衆院議員(民主党)は文部科学委員会の理事です。


去る9月8日の文部科学委員会で松崎理事は「碍」の字の常用漢字への追加を要望するとの立場で質問をされました。「碍」が国会で話題になったのは今年4月21日の馳浩衆院議員(自民党)に続いて本年2回目です。古くは平成19年に川内博史衆院議員(民主党)が質問趣意書を安部総理に提出し常用漢字でないからとの理由で却下されていますので正確には三度目になります。


障がい者制度改革推進会議」の表記が「障がい者」と交ぜがきとなっていることもあり巷間では民主党は交ぜがきを採用するのではとの憶測がなされていましたが松崎理事が「障碍」表記支持を表明されたことで民主党内に交ぜがきとする合意が無いことが判明しました。


以下は9月8日の文部科学委員会での松崎理事と川端文相とのやりとりです。(議事録より)




○田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松崎哲久君。

○松崎(哲)委員 松崎哲久でございます。

 本日の私のこの質問は、他党の委員の方々も同じかもしれませんが、去る六月二日の本委員会においてするはずのものでございました。当日、大臣にも三役の皆さんにも開会をお待ちいただく中で、理事会で流会に決しました。鳩山前総理大臣が退陣の表明をされたその同時刻だったからでございます。

 それから三カ月、我が民主党の代表選挙、そのさなかにこうして質問に立たせていただきますのは、まことに感慨深いものがございます。いろいろな思いを込めまして質問を始めさせていただきたいと思います。

 四月二十一日の本委員会におきまして、本日残念ながら御欠席でございますが、馳浩委員の質問で、障害の「ガイ」の字、お手元に資料を配付させていただいておりますが、この左側のうかんむりの字を右側のいしへんの字に変えるために、このいしへんの「碍」を常用漢字に含めるべきではないかという議論がございました。

 私はその馳委員のお考えに全面的に賛同をしている者でございますが、改定常用漢字表は、六月七日に、この「碍」の字を除いた形で文化審議会から大臣あて答申があったというふうに承知をいたしております。

 この答申を受けまして、今後、内閣告示、訓令等と続いていくと思いますけれども、どういうスケジュールで進んでいきますものか、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

○川端国務大臣 私も、前回の馳委員の「ガイ」の話は大変興味深く議論をさせていただきました。

 御指摘のように、六月七日、この前流れた直後だったんですが、六月七日の文化審議会総会で、文部科学大臣に対して改定常用漢字表が答申をされました。現在、文化庁において、改定常用漢字表を内閣告示、訓令とするため、関係府省等と調整をしているところで、今後、本年末までに告示とするという予定でございます。

 また、この答申では、出現頻度や造語力の高さなど字種選定の基本的な考え方に照らし、「碍」を追加字種とはしていませんが、内閣に設置された、これは「ガイ」は平仮名でありますが、障がい者制度改革推進本部における検討の結果によっては、「改めて検討する」という中身になっております。

 障がい者制度改革推進本部での御議論の中で、障害の表記に関する作業チームは、現在、関係団体、有識者等からのヒアリングを行っております。このヒアリングを踏まえた上で意見をまとめ、十一月ごろ、障がい者制度改革推進会議に報告予定とされております。この結果を踏まえて何らかの対応があるかもしれません。

 なお、こういう御議論をここでやられるということがありましたので、御参考までということで、先般の国会の議事録は私の方からお届けをさせていただきました。

 このため、仮に、漢字表の告示後に推進会議において政府としての「碍」を使っていく旨が決定された場合には、それを踏まえて改めて文化審議会で検討することとなっております。

○松崎(哲)委員 ありがとうございました。二弾目の質問をいたそうと思っていたんですが、あわせてお答えをいただいたような感じでございます。

 確認でございますが、告示後であっても追加の審議をするということでございますか。十一月というのは告示の前だと思いますが、そのことによって告示の日程は狂わないというか、ずれないということでしょうか。

○川端国務大臣 一応今、十二月というので先般の御答申を踏まえて準備をしておりますが、また別ラインで入ってきたときは、それはそれを踏まえて対応するということで、うまくそれはぴったり合うかどうかはわかりませんので、一応、別建てと思っております。

○松崎(哲)委員 ありがとうございました。

 ですから、いしへんを抜いた形で告示、訓令が行われたとしても、内閣府の方で、推進会議の方で入れるべきというような結論が仮に出たとすれば、また改めて追加した形で告示は行われるという理解でよろしいですね。

○川端国務大臣 改革推進会議の答えが出たら自動的に告示というわけではなくて、それを踏まえて改めて文化審議会で検討していただくということから始まる。

○松崎(哲)委員 ちょっとこの議論を先に進めたいんですけれども、今のお話で、私は、今の審議会の国語分科会の皆さんの任期は来年の二月までと伺っているものですから、その辺でちょっと時期の問題をお話しさせていただいたんです。

 私は、内閣府障がい者制度改革推進会議で検討されている障害の表記のあり方、これはアンケートが先般ありまして、その答えで、いしへんを使いたい、使うべしという意見が極めて少なかったという結果が出ていると承知しているわけですが、このアンケートは、対象がインターネット登録モニターに限られているということと、それから、アンケートの文も拝見させていただいて承知はいたしておりますが、やや誘導的な、余り使わないという方向へ誘導しているような文面のように思えるんです。

 ですから、こういうやり方、インターネットモニター、今、識者等々も伺っているということを伺いましたので、政府の方で、政府の責任できちんと対応をしていくべきではないか、このように考えております。

 私としては、まずいしへんのを認めて、今認められていないから使わないんですから、頻度が低いのはこれは当たり前な話でありまして、認めた上で、そうすると使用頻度が上がっていくならば、今度は政府の方の「ガイ」の表記も、平仮名か、うかんむりか、いしへんかということをまず容認するところから入っていくべきではないかなと考えますので、今後の御議論の御参考にぜひしていただきたいと思います。