tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と国会

「ショウガイ」の表記及び「碍」の字の常用漢字への追加問題が国会でも度々採り上げられていることは既に書いてきましたが、このへんで一度まとめておきたいと思います。


最初は3年前の平成19年8月7日に当時野党であった民主党川内博史衆院議員が「質問主意書」で当時の安倍首相あてに質問されています。条文の「障害」表記を「障碍」に変更すべきと思うが文化審議会への諮問なしに省令で「碍」を常用漢字に追加できないかを問うたもので回答はNOでした。常用漢字は単なる「目安」にすぎないといいながらも隠然たる拘束力を持っていることの証左です。(詳しくは2009年7月7日付弊日記「碍」と川内博史衆院議員」を参照願います)


2回目は改定常用漢字の答申提出前に今年4月21日に自民党馳浩衆院議員が文部科学委員会で口頭で川端文科相あてに質問(質疑)されました。玉川大学の中田准教授の調査に基づいてウ冠の「害」の語源は「人を殺める」から来ているので不適当であると明言しておられます。(詳細は2010年4月26日付弊日記「碍」と馳浩衆院議員を参照願います)


3回目は答申後の9月8日です。同じく文部科学委員会民主党松崎哲久衆院議員が質問に立ち川端文科相あてに今後のスケジュールを質す中で、先に内閣府が業者に委託して実施したアンケート調査の設問自体が誘導的であったことなどを指摘されました。
(詳細は2010年9月30日付、弊日記「碍」と松崎哲久衆院議員と2010年5月15日付弊日記「碍」と諸種アンケート結果を参照ねがいます)


民主主義は国民の声に耳を傾けることから始ると思っています。昨年春秋2回実施された文科省による改定常用漢字に対するパブリックコメントには多数の国民が「碍」の常用漢字への追加を要望しています。国会議員の市村浩一郎衆院議員(民主党)もこのパブリックコメントに応募し「碍」の追加を要望しておられます。


既に3年前に国民を代表して国会議員(川内博史議員)がウ冠の「害」はおかしいと問題提起をしておられます。今年になってからも文化審議会による文科相あての答申(6月7日)以前に民意を代表して馳浩衆院議員が4月21日に国会で「障害」表記の不当性
を理詰めで説明されました。答申の後にも松崎議員が事態を憂慮して委員会で意見を述べておられます。


馳議員、松崎議員共に文部科学委員会の常任理事です。常任理事が文科省の見解に対して異議を唱えておられます。文科省はこれらの国民の代表からの質問・疑義に対して誠実に釈明される責務があるのではないでしょうか。


障碍者制度改革推進会議は「碍」の追加に否定的と仄聞していますが、委員のみなさまは「碍」の追加要望の背景や根拠などをご存知なのでしょうか、国会でのこのような動きをご承知なのでしょうか疑問に思っています。表記の選択肢までをも奪う権利は推進会議にはないはずです。日本はいつからこのようなおかしな国になってしまったのか不思議でなりません。