tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」ふたたび

日記を再開します。最後に書いたのが2011年2月6日ですから1年と3ヶ月ぶりになります。

中断の理由は特にありません。しいて言えば「なんとなく」ということでしょうか。「碍」への想いが失せたわけでもなく、ネタが切れたということでもありません。確かに新常用漢字への追加がならなかったことで脱力した部分があったとは思いますが。

これまでの1年3ヶ月の間にも「碍」をめぐっていろいろなことがありました。それもおいおい書いていくことにします。とりあえず季刊誌「障害者問題研究」の2012年2月号に掲載された小論文のことを書きます。

昨年5月に佐藤久夫先生(日本社会事業大学教授)の発議で「障害表記研究チーム」が組織されました。主として佐藤先生の教え子である各地の先生方など10名で構成されましたが私も加えていただきました。手始めに一昨年内閣府が募集した「しょうがい」の公式表記に関する国民の意見を客観的に分析することになりました。国民意見は全部で647通でした。内閣府は637通の応募があったと発表していますが、正確に数えたところ647通ありました。

佐藤先生は内閣府障がい者制度改革推進会議の正委員で同推進会議傘下の総合福祉部会の部会長を務められたことは以前書いたとおりです。表記の検討は閣議決定事項に含まれており、推進会議の表記検討作業チームのメンバーでもあった佐藤先生の手元に647通の国民意見の詳細データがあったわけです。

この貴重なデータをこのまま眠らせてしまうのはもったいない、表記に関する国民的議論の参考資料として広く国民にその詳細を開示してはどうかとの佐藤先生のご勇断で分析作業が開始された次第です。従い佐藤先生から冒頭に出来るだけ冷静な、中立的なかつ客観性が担保された分析であるべきとの方針が示されました。

杉本泰平研究員(日本社会事業大学共同研究委員)を軸に膨大かつ綿密な分析作業が進められ、その結果が小論文に纏められて唯一の障害者問題の研究誌である「障害者問題研究」の2月号(Vil.39 No.4 88-94)に掲載され公表されるに至った次第です。

小論文の題名は「障害」の表記に関する意見の内容と理由〜2010年内閣府の意見募集結果から〜で主たる著者は筆頭、佐藤久夫教授、杉本泰平氏日本社会事業大学)、越智あゆみ氏(県立広島大学)、筒井澄栄氏(国立障害者リハビリテーションセンター)と豊田徳治郎の5名となっています。紙面の都合もあり9ページほどのものです。雑誌とは別に小論文だけの小冊子を用意しておりますのでご希望の方には送料共に無償でお届けします。遠慮なく豊田までお申し出ください。

豊田のメールアドレスは fwnn3081@u01.gate01.com です。電話&FAX 0797-25-2202でも結構です。