tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」とパブリックコメント

私が何故「碍」の常用漢字への追加を希望するのか、その動機と背景について書いてきました。何分日記を書くのは生れて初めてで、しかも拙い文章ですので皆様にご理解いただけたかどうか、はなはだ疑問ではありますが一生懸命書きました。障害者自立支援法のこととかメデイアの対応の問題とかまだまだ書きたいことはたくさんありますが「碍」に関連する記事はこのへんで一旦区切りをつけたいと思います。今後は毎日ではなくその都度書くことにします。毎日書かなくても「日記」は「日記」だと思いますので。


この一週間、當山さまはじめ「はてな」の皆様より暖かいお言葉や有益なアドバイスを頂戴し望外の喜びでした。厚く御礼申し上げます。noriさまにコメントしていただいた中のポリテイカルコレクトネスということばが宿題として残りました。私は普通に「政策的整合性」と理解したのですがひょっとして言語学会の専門用語ではないかとの疑問も抱いております。いずれにせよおっしゃっていただいたニュアンスは理解できているつもりですので9月に再度パブリックコメントの提出の機会があれば是非それに反映させていただきたいと思っております。noriさま有難うございました。


私のターゲットの第一段階は「碍」の常用漢字への追加を通じての「障害」→「障碍」ですがその先に「精神障害」→「心的障碍」を置いています。お蔭様で芦屋市内では一定の成果を挙げつつあり山中健芦屋市長や大前繁雄衆院議員あるいは芦屋市社会福祉協議会(中條智子会長)で使用を開始していただいております。先般産経新聞の取材を受け阪神版で報道されました。WEB記事は以下に掲載されています。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/221883/


「心的障碍」は全くの新語であり「碍」の常用漢字への追加ですら容易ではないのに果たして命のあるうちに日の目を見るかどうか。なお私は「心的障碍」に固執するつもりはなく「精神障害」に代る適当なことばが現れればそれでOKなのですが。最終目標はもちろん普及啓発をつうじて国民の意識が変わり世界一精神疾患者の少ない自死者の少ない平和な日本になることであり第一段階第二段階共にその実現のための手段の一つと位置づけております。


文化庁あてに提出したパブリックコメントの原文を以下に掲載します。公開は問題ないと思っておりますが。NPO法人芦屋メンタルサポートセンターは芦屋市唯一の心的障碍者の社会復帰施設で芦屋市の事業であり市から相談支援事業も受託している公の施設です。理事長は寺内嘉一先生(精神科医師・寺内神経科クリニック院長)にお願いしており私は副理事長を務めております。



パブリックコメント
                                                                                                                                  2009年3月1日
文化庁 国語課 御中
    
                                             特定非営利活動法人芦屋メンタルサポートセンター
                                                  理事長 寺内 嘉一


                          「碍」の常用漢字への追加お願い


冠省 「碍」の常用漢字への追加をお願いします。


第二次世界大戦後の1946年に制定された当用漢字表(1850字)に、戦前から使用されていた「碍」は使用頻度が少ないとの理由で含まれませんでした。
当時は戦後の混乱期でもあり「障碍者」という概念が未確立の状態でもありました。


従い「碍」に替って便宜的に「害」が誤用され1950年に施行された「身体障害者福祉法」でこの誤用が一般化し今日に至っていると言われています。


他方、こころの病の罹患者303万人は全て「精神障害者」と呼ばれ社会通念上は「害のある人」ひいては「触法の惧れのある人」と誤解されているのが現状です。


国(厚労省)もこの現状を打開すべく「精神疾患に関する国民への正しい知識の普及・啓発」をその重要施策として掲げています。自殺予防策においても同様です。


日本は「障害者権利条約」の批准を迫られていますが関連法案が未整備の状態です。これはとりもなおさずわが国の障碍者福祉の立ち遅れを意味しています。


名は体を表すと言います。この誤用を即座に正し,初期教育の段階で「障碍者」の概念を習得することが必要と考えます。併せて国民が正しい本来の漢字「障碍」を使用することにより日本の障碍者福祉、とりわけ欧米に遅れを取っている精神保健福祉が増進されるものと確信しております。


一部の自治体では「障がい」とひらかな書きが採用されていますが小手先の間に合わせとの評価も聞かれます。


同じ漢字圏で「害」が人に対して使用されている例はわが国だけです。中国では「残疾人」韓国では戦前の日本同様「障碍者」が使用されています。台湾でも「碍」の元の字の「礙」が使用され「障礙者」と表記されています。因みに「碍」は大きな岩を前に人が思案し悩んでいる様を示すとされています。


使用頻度については「障害者」を検索しますと六千八百十万件(2009年1月22日現在・YAHOO)で決して少ない数字ではありません。


ついでながら幣特定非営利活動法人では「精神障害者」に替る言葉として新語「心的障碍者」の採用を決め先ずは地元の芦屋市での使用の普及に尽力中であり一定の成果を挙げていることを付言します。


以上、文化審議会にてご審議のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
                                                                   
                                                                  
                                                                   敬具


ご参考: (1)特定非営利活動法人芦屋メンタルサポートセンターのホームページ
       http://www.amsc.or.jp/
   
添付資料 (1) 元埼玉県立大学丸山一郎教授の小論文
       「障礙」から五十五年―まだ残る「害」
       http://www.kenpakusha.co.jp/test/tsukushi/h18/1_10.html
 
     (2) 産経新聞の記事
       「精神障害は心的障碍」2009年2月13日付朝刊(兵庫版)

     (3) 映画「ふるさとをください」上映会レポート
       http://www.kyosaren.or.jp/furusato/report/081115_1.htm