tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

メデイアへの期待

今や新聞、テレビをはじめインターネットを含め、各種のメデイアが世論形成の主役となっていることは周知の事実です。そのメデイアの中でのメンタルヘルス分野の地位が質・量ともに余りにも低いことを懸念します。


国が掲げる精神保健福祉施策の柱は「メデイアなどを活用した国民の意識の変革」(精神保健医療福祉の改革ビジョン2004年策定)です。


最近になって職場でのうつ増加問題や国際比較における日本の自死者数の多さなどが顕在化し社会問題となり、関連の報道も増えてはいますが、片方でこのような好ましい方向を一瞬にして否定するようなネガテイブな報道がなされるのは残念です。


例えば全精社協問題です。その報道量は異常に多く、又大きな扱いとなっています。ネット上でも「全精社協」で検索すると百万件ヒットします。某紙などは鳩山・オバマ会談の記事を押しのけて一面トップで報じています。しかもその事件の背景や全体像の説明が欠落しているため読者に残像として残るのは「障碍団体がわるいことをした」ということだけでしょう。因みに「全精社協」は特異な団体であり芦屋市にある施設とは無関係です。


報道そのものに事実誤認はないとしても余りにも細部のみを抽出し拡大した顕微鏡的記事であり明らかにバランスを欠いており世論をミスリードすること必定と思われます。個人の不始末は言語道断として、この事件の主因は国の精神保健福祉施策の貧困さにあると言っても過言ではないでしょう。そしてこれを国民に伝えるメデイア側の勉強不足も指摘されてしかるべきでしょう。


世論の後押しなしには日本の精神保健福祉の前進は期待できません。特に報道にたずさわる幹部の方々にはメンタルヘルス分野の基本知識を習得していただきバランスの取れた情報を発信していただきたいと切望します。「コンクリートから人へ」の第一歩はメンタルヘルス問題を直視することから始めて欲しいものです。