tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」をめぐる議論(2)

「情報は熱心な発信者のてもとによりおおく集まる」と當山日出夫先生におそわりましたがまったくそのとおりだとおもいます。「碍」についてかきはじめてから関連情報がおもしろいようにまいこんできています。

「碍」の常用漢字への追加に関連するご意見を整理するとおよそつぎの4つに分類されます。

(1) 無関心でどうでもよい(といいながらも気にはなる)

(2) まぜがきの「障がい者」でもかまわない。せっかくひろまりつつあるのだから。

(3) 「碍」の追加に大賛成。あやまりを是正し混在状態を「碍」に統一すべき。

(4) 「障害者」そのものの呼称が問題で代替呼称に変換すべし。


(1)は若年層におおいようです。学校でならっていないのでよめないし日常生活でもめにする機会がすくないのでしょう。
ただし「障害者」の「害」はおかしいなと初 めてきづいたようです。

(2)まぜがきはこれまで知的障碍の団体がその普及にとりくんできた経緯があります。原点は「害」のイメージが悪いのでなんとかしなければというもので、いまや 多数の地方自治体が採用し、公明党につづいて民主党マニフェストもまぜがきを採用しています。

(3)賛成者は高年知識層におおくみられます。あやまりは即刻ただすべきであるとし漢字文化への郷愁もてつだって使用者がふえつつあります。あやまりは自分たちの世代で正しておこう、こどもたちにも正しい文字をおしえておこうとの気概もあるのでしょう。漢検の隆盛にみられるように漢字愛好者のあいだでも賛同者がおおいようです。

(4)は一部の障碍団体のリーダー間にみられる意見で「障害者」という呼称全体が問題でこれをかえたらどうかというものです。一例として「チャレンジド」があがっています。「障がいのあるひと」という表記も苦肉の一策でしょう。


以上をわたくしなりに総括しますと、今回メデイアで「障害者」の「害」の不当性がうきぼりにされたことにより、みなさんが問題意識をもたれるにいたっています。なんとかしなければとの意向のようです。ただし「碍」が最適かどうかとなると意見の
わかれるところです。まぜがきを推進してきたひとたちは、これまで努力してきたのにいまさらというこだわりもおありでしょうし、特に障碍団体の幹部には「なぜこれまできがつかなかったか」という不作為の責任から自省されるかたがたもいらっしゃるでしょう。しかし「碍」の常用漢字への追加については確たる反対意見が皆無であることは事実です。すくなくともわたくしのてもとには反対意見はとどいておりません。

失礼しました。ただ1件「害は社会の側にあるのだから障害者をそのようによめばよい」という意見がありました。これには無理があるようにおもいますがみなさんはいかがお感じでしょうか。