「碍」と「みんなげんき倶楽部」(3)
奈良の和尚さんで学者(国語学者)の當山日出夫先生のブログで大阪府の吹田市が「障害者」の代替呼称を公募することをしりました。「障害者」という言葉の印象にマイナスイメージがあるとして、吹田市が市の印刷物や広報紙などに「障害者」に替わる新しい呼称を使用することを決め、募集を始めたとのこと。
同市では妥協策として今年2月から「障がい者」とまぜがき表記を採用してきましたがどうも違和感があるようです。「『障害』は個人ではなく社会の仕組みや街のあり方に存在する」との考えから、抜本的な見直しを決めたとのこと。
さっそく会員どうしネット上で協議し吹田市長あてに「みんなげんき倶楽部」として「障害者」の代替用語として「障碍者」を推挙するむねの意見書を提出することを決めました。11月30日の〆切より若干おくれましたが先方(障がい者くらし支援室)で市外からの意見書を歓迎するとのことでしたのでメールで発送しました。
以下はその全文です。
2009年12月6日
大阪府吹田市
市長 阪口 善雄 様
みんなげんき倶楽部
代表幹事 柏木 彰
拝啓 貴市ますますご清祥の段、お喜び申し上げます。
「障害者」の代替表記に「障碍者」を
「障害者」の表記につき他市に先駆けて問題提起をされた貴市の英知に対し敬意を表します。地域主義、民主主義による「自主・自律」のまちづくりを標榜される阪口市長様のご方針に沿った斬新なこころみであると理解しております。
私どもとしては「障害者」に代わる表記として「障碍者」をご提案申し上げます。ご高承のごとく現在、文化庁は常用漢字の見直し作業中であり幣みんなげんき倶楽部は「碍」の常用漢字への追加を要望しているところです。
提案の根拠ならびに背景については添付の12月3日付、朝日新聞夕刊に掲載された記事「障碍の文字社会を変える」をご参照いただきたく。記事中の豊田徳治郎と當山日出夫は幣倶楽部の会員です。
民主党のマニフェストは「障がい者」とまぜがきを採用していますが複数の民主党議員が「碍」の常用漢字への追加に賛成であり、今後党内での調整が行われると仄聞しております。
貴市による問題提起もあって、この表記問題は厚労省内外でも議論の対象になるものと推測されます。
なお幣倶楽部では「精神障害」の代替呼称として「心的障碍」をとの意見もでており、現に兵庫県芦屋市では芦屋市社会福祉協議会がこれを正式に採用し山中健芦屋市長も公の場で「心的障碍」を使用中であることを申し添えます。
【みんなげんき倶楽部の概要】
遅れている日本の精神保健福祉の増進を目指す良識者のグループ
現在の構成メンバーは8名
(1)2009年11月20日創立の任意団体
(2)代表幹事:柏木 彰(カシワギ アキラ)