tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と馳浩衆院議員

4月24日西宮市で兵庫7区(芦屋・西宮)選出の石井登志郎衆院議員(民主・文教委員)主催のタウンミーテイングの会場で同議員より自民党馳浩衆院議員が21日の国会(文部科学委員会)で「碍」についての有意義な質問をされたと聞き、帰宅したら東京の知人のH氏より同様の情報とURLがメールでとどいていました。


田中真紀子氏を委員長とする文部科学委員会での馳(はせ)議員の質問は堂々たるものでまさに「わが意を得たり」の内容でした。


答弁に立ったのは主として川端達夫文科相と松田政策統括官でしたが泉健太内閣府大臣政務官(推進会議の現場責任者)もご出席でした。


「害」ではなぜ駄目か、その語源についての説明は初耳でした。ウ冠は傘で覆い隠す、かぶせる、妨げるの意、下の口は祈りの言葉で全体で切り刻んで覆い隠すの意味との解説は説得力がありました。


「自害」の意味を問われた松田政策統括官は「自ら傷つけ切り刻み死にいたるの意」と答弁されていました。


他方「碍」の元字は石偏に「疑」であり「疑」の語源は「思い迷うさま」「とどまる」「立ち尽くす」を言い石偏がついて「石を前にして思い迷うさま」を示すとの解説でした。これは玉川大学の中田准教授に確認していただいているとのこと。


これが事実とすれば戦後当用漢字制定に当り「碍」を全く意味のことなる「害」へ書き換えを指導した国の責任は重いと指摘されている故丸山一郎教授の説が立証されることになるでしょう。誤用であれば直ちに正すべきは理の当然です。


追加字種選定の基準となっている使用頻度について馳議員は「当用漢字・常用漢字から漏れているから少ないのでは」と指摘されましたが、これは私が従来より異議を唱えている点であり全く同感です。川端文科相も「過去の実績を基準とするのではなく将来を見据えた選定が必要ではないか」と答弁されていました。


馳議員の主張は要約すれば「害」は前述の理由で論外、交ぜがきも不適当、少なくとも公文書や法律用語には正当な「碍」を使用すべきで、これにより政治が変る、政策が変る、社会も変るというものだったと思います。まさにわが意を得たりの論述で痛快ですらありました。


夏目漱石が「我輩は猫である」(1905年)の中で「障害」と表記したのに対し森鴎外が「金貨」(1909年)で「障碍」と書いたのは鴎外は医者の良心で正確な表記を期したのではないかとのエピソードの披露は示唆的でした。現在の医学会は「〇〇障害」は医学用語であるとして、これに固執する人が多く、鴎外に真意を聞いてみたいところです。いずれにせよ「障害」は日本古来の言葉ではなく英語Disorderの邦訳と言われていますので、この機会に「障碍」に変更しても不都合は生じないと思うのですが。


「本件の決着時期は6月末と理解してよいですか」との馳議員の問いに対し川端大臣はYESと答えておられました。5月10日の推進会議での議論を見守ることにします。


馳浩議員(48歳)は富山県出身で専修大学文学部国語科卒、母校星陵高校国語科教員でロス五輪のレスリング代表、プロレスラーを経て政界へ、平成7年参院、平成12年から衆院で平成17年には文部科学副大臣という異色の経歴の議員です。


以下4月21日に開催された文部科学委員会の議事録(抜粋)を掲載します。

○田中委員長

次に、馳浩君。
 

○馳委員

おはようございます。 自民党馳浩です。 まず最初に、障害という言葉の表記について質問をいたします。 まず、政府に伺います。 政府の障がい者制度改革推進本部の表記は、障害者については害の字が平仮名で表記をされております。 どうして仮名まじり文字になっているのか、お答えをいただきたいと思います。
    〔委員長退席、笠委員長代理着席〕
 

○松田政府参考人

お答え申し上げます。
障害の表記をめぐりましては、国民の間にさまざまな御意見がございまして、合意が形成されていない状況にございます。
このような背景から、障がい者制度改革推進本部それから障がい者制度改革推進会議の立ち上げに当たりまして、本部及び会議の名称に限って、特定の漢字を用いず、平仮名を交えて「障がい」と表記することとしたものでございますが、これは、障害の表記に関しまして今後の検討に対して予断を与えることにならないといった配慮によりまして、平仮名を特段推奨したものではございません。なお、総理の所信表明演説あるいは民主党マニフェストにおきましても、平仮名まじりで「障がい」と表記されているところでございます。
 

○馳委員

 この仮名まじり表記のあり方について、文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。
 

○川端国務大臣

 国語の先生にお答えするのが大変この間からプレッシャーになってしまっておりますが、いわゆる仮名と漢字をまぜて表記するということは、そのことによって読み取りが困難になったり、語の意味が把握しにくくなったりする場合は避ける必要があるが、そのようなことがない場合には、むしろわかりやすくなるということも含めて、必ずしも問題があるというふうには思っておりません。
 なお、文部省用字用語例、昭和56年12月においても、「漢字書きで示した語についても、場合によっては、仮名書きにしても差し支えない。」と明記されておりますので、特段の問題があるという認識ではありません。
 

○馳委員

 文字には表意文字表音文字とあるんですよね。 漢字はどちらですか、大臣。
 

○川端国務大臣

 基本的には、万葉仮名を除けば表意文字であるというふうに思っております。
 

○馳委員

 そうなんですね。 別に今から国語の授業をするわけではありませんが、ちょっと肩の力を抜いて、そうは言っても、漢字は表意文字である。 そして、その漢字を見て成り立ちを理解し、意味を理解し、これはまさしく教養なんですよ。
 したがって、私は、最初に自分の見解を言いますが、小学校から漢字を習う我が国の教育の中においては、一年生で習う漢字、二年生で習う漢字、順番になっておりまして、最終的に高校三年生で習う漢字を全部含めると常用漢字すべてを習うということになっておりますが、そういう輪切りで理解をするというよりも、国語の教科書には、あるいは他の教科書にもいろいろな漢字が使われますから、まだ習っていないとしても、読み仮名をつけて意味を理解するということを訓練する、これによって教養を身につけさせる、この方針というのは必要なのではないかと私は思っています。 大臣、どう思われますか。
 

○川端国務大臣

 漢字で書くということは、それぞれの漢字の由来も含めて視覚で入ってくるという部分で、私も何か脳の学者に聞いたところ、仮名で入るのと漢字で入るのでは記憶される場所が違うということを伺いました。
 そういう意味で、漢字にも独特の、特有の意味があり、教育上も大変大事な問題であることは事実でありますし、今の制度の中で、先生御指摘のような論も根強くあることも事実でありまして、たしか世田谷区においては、小中学校で、いわゆる「日本語」という科目をつくって、教材として、小学校一年生からすべて、古今東西の、西はどうかわかりません、漢文も含めて、仮名まじりで、漢字、原文を書いて音読させるということで効果を上げている例もありますので、先生の御主張にも認識としては共有するものがたくさんあると私も思っております。
 

○馳委員

 一定の理解をいただいて、ありがとうございます。
 スケジュールを確認しますが、文化審議会の国語分科会の中の漢字小委員会において常用漢字の追加漢字を協議している、それはことしの六月までに最終的な決着を図る、まずこのスケジュールについて、私が今申し上げたとおりでよろしいでしょうか。
 

○川端国務大臣

 スケジュールではそのように予定をしておるということでございます。
 

○馳委員

 そこで、報道でもされておりますし、私は、きょうはプラカードを準備してまいりましたので、まず行きますよ。 これは、政府の改革本部、「障がい者」と表記をしております。 「障がい者」、平仮名ですね。 速記の方も一応見ておいてくださいね。
 では、次。 これはいわゆる一般的に今常用漢字にも使われている「害」の字を使った「障害者」であります。
 きょうの私の、今の質問の目的は次なんです。 (資料を示す)この漢字を使うことによって、障害者に対する政府の政策をより一層前に進めてほしいという願いを込めて、こういう表記を、いわゆる公文書あるいは法律用語に使って、ぜひ国民に意識の啓発をしていただきたいという願いであります。
 そこで、この「碍」の字は、今常用漢字に採択されていますか、いませんか。
 

○川端国務大臣

 入っておりません。
 

○馳委員

 実は、昭和21年、当時は当用漢字という言い方をしましたよね。 当時、この漢字は採択をされませんでした。 いろいろな事情があったと思います。
 これは実は俗字と言われておりまして、もともとの漢字はこの字なんです。 「礙」。 共産党の宮本さん、読めますか。 (発言する者あり)なかなか読めないとは思いますけれども。
 私は、その漢字の語源というものを調べてまいりました。 私だけの知識ではおぼつかないので、玉川大学中田幸司准教授にも、日本文学の先生ですが、裏をとるというか、事実関係も調べていただいてきました。
 さて、行きますね。 つくりの部分が疑うという字ですね。 それから、そこに石というへんがついておるというふうな漢字であるということは一目瞭然であります。
 この疑うという漢字の語源というものを御存じでしょうかというところから入りたいと思います。 これは、思い迷うさま、とどまる、立ち尽くす、そういう語源がございます。 そして、それに石があることによって、石を目の前にして立ち尽くす、そこから派生をして、妨げるというふうな意味になっているそうであります。
 そして次に、今現在、常用漢字にも採択されておりますうかんむりの「害」、非常にマイナスのイメージが多くございます。 この「害」の字の語源について御存じでしょうか。
 

○川端国務大臣

 承知しておりません。
 

○馳委員

 これは、ぜひ皆さん、私が掲げているプラカードを見ていただきながら、ちょっと解説をいたします。
 うかんむりですね。 うかんむりというのは、まさしくこれは傘を意味しておりまして、覆い隠す。 まさしくこのうかんむりで、かぶせる、妨げる、覆い尽くす、こういうふうな意味がありまして、その下ですよ。 語源を調べて、私も、ああ、なるほどなと改めて思いましたが、口、これは祈りの言葉を意味しているそうでありました。 祈りの言葉。 祈りの言葉を切り刻んで覆い隠すというところから「害」という漢字が成り立ってきたという意味を伺って、例えば自害という言葉がありますよね。 自害というのはどういう意味か御存じですか。
 では、鈴木副大臣に聞いてみましょう。 自害。 余りいいイメージじゃないですね。 自害、自害する。
 

○鈴木副大臣

 まさに、みずから、みずからの命、体を切り刻んでという意味だと思います。
 

○馳委員

 そうなんです。 この「害」という字には、傷つける、そして殺すという意味までも含んでいるんですよね。
 そして私、もとに戻って、あえて、いしへんに疑うと書いて「礙」の、ここでちょっと皆さんにも説明したいと思うんですけれども、障害者にとっての石はなんでしょうか。 先入観であったりとかあるいは社会環境の不備であったり政策の不備、英語で言えばバリアと言えばいいのでしょうか、まさしくそれを前にして障害者の方々が立ちすくんでいる、そして、障害者が社会環境や政策的な不備に妨げられている状況にあるというふうな読み方をすることができるんですよ。
 さっきのに戻ります。
 したがって、大臣や、また内閣府の松田さんもちょっとごらんいただきたいんですが、現在の表記の「障害者」、障害者自身が妨げられているわけですよ。 害を社会に与えているわけではありません。 当たり前の話ですね。 むしろ、私たち国会の責任であったり、政策の責任であったり、あるいは国民全体の障害者との距離感の問題でもあろうと私は思っているんです。
 だから、今、文化審議会の漢字小委員会で議論をされておりますが、あえて言いますが、この「碍」を常用漢字として採択するという方針を政府が示し、「障碍者」という漢字は、公文書にも法律にもこの漢字を使うことによって、先入観とか政策の不備、社会環境によって妨げられ、立ち尽くしている障害者を支援する、そういう国家となっていかなければいけないという意思を表示する、そういう段階ではないのかなというのが、実は私の、あえてきょう申し上げてきた意見なんです。

 大臣、これは最終的に専門家の漢字小委員会のメンバーで議論されておりまして、実は私もその議事録を全部読みました。 読みましたが、漢字の語源にさかのぼっての議論は残念ながら見ることができませんでして、ちょっと残念だなと私は思いました。 私が今申し上げてきた議論というのは、実は、高校レベルか、大学生に漢文学の授業でちょっとするような話なんですが、むしろ、常用漢字に採択をする追加の文字を議論している今この段階でこそ、私はもっと踏み込んだ議論をしてほしいなと思っているんですよ。
 大臣の見解を伺いたいと思います。
    〔笠委員長代理退席、委員長着席〕

 

○川端国務大臣

 改めて、先生に国語を習った生徒は、漢字に対して非常に興味を持ち、勉強するという子に育つだろうなと、やはり教育というものの何か大事さというのを感じて、漢字は本当にもっと勉強しておいたらよかったなというふうに今は思っております。
 そういう中で、国語審議会の立場で申しますと、この漢字を入れるかどうかは、よく使われる漢字ということ、それから、今回でいいますと、県の名前であるのに入っていないというのは、そんなに使われないかもしれないけれども、やはり一般的に使われるから、熊本の熊とか栃木の栃とかいうのも入れようということであります。
 今御指摘の「碍」の字は、いわゆる電柱の上にある碍子、それから障碍以外はほとんど使われる場所がない漢字でありまして、漢字の何かランキングと言うと変ですけれども、よく使われるランキングがあって、「碍」の出現頻度というのが3461位ということで、表外漢字として2501位以下のものについては個別に採用する、常用漢字表に入れるということで、例えば、肥沃な土地とかいう沃というのは3268位ですが採用するとか、進捗の捗とか、訃報の訃とかいうのは採用するんですが、障碍、融通無碍の碍、それから碍子という以外には余り言葉としてないという意味で、今入っていないんです。 入れるところにも、議論としてはなかなか難しいなと。
 ただ、御指摘のように、障害者の「障害」というのをどう表記するべきかが一方で議論されております。 そういう中で、これは、今のようなお話も含めて、この委員会でどう表記するかというときに、その動向によっては、それが例えばこの字になるということであれば、改めてそういう、非常にあまねく使われる漢字としてはこれに入れるべきかどうかという判断は入るべきものだと思いますから、順番としては、こちらが入れてということの環境にはないけれども、この結論は非常に注目をしていくというふうに伺っております。

 

○馳委員

 大臣の今の答弁を融通無碍というんですよ。
 ちなみに、ガイとも読みますし、ゲとも読みますが、これは漢音か呉音かという、その違いなだけなんですよね。 そうなんですよ。 呉の時代、漢の時代にどう発音していたかという違いから、ガイという読み方をするか、ゲという読み方をするかというだけの問題であって。
 もう一つ、なぜ私が大臣に失礼にも融通無碍という言い方をしたかというと、常用漢字に採択されていないから積極的に使われていないという見方をすることもできるんですよ。 鳩山総理は、障害者という呼び方をそもそも変えた方がいいんじゃないかと。 例えばチャレンジドというふうな言い方もおっしゃいました。 これは、私は鳩山総理なりの一つの配慮だと思っているんです。 ただし、障害者をチャレンジドと変えたからといって、根本的に何かが解決するかという問題ではないとこれは思いますよ。 
 あえて言うならば、私は、漢字の語源にさかのぼった上で、今表記しております「碍」という漢字の成り立ちを考え、今まさに「障碍者」は、社会環境や政策的な不備によって立ちどまり、考えて、思い悩んでいる状況にあるんですよ。 そこを政府の意思として、今、内閣が議論をしておられますけれども、ここは私は政権交代の一つの象徴とすべき問題でもあると思って、だから私は今あえて、ちょっとしつこく追及をしているんです。 もちろん、私たち政治家が文化審議会の国語分科会漢字小委員会に圧力をかけるものではありませんが、より多くの国民に理解を求める、それはやはり政治の仕事ではないのかなと思って質問をしているんですね。
 改めて大臣の見解をお伺いいたします。

 

○川端国務大臣

 何か鶏と卵みたいな話で、融通無碍に答弁をしてしまったかもしれませんが、改めてこの漢字の持つ意味というのは再認識をさせていただきました。
 おっしゃるように、この審議会に、入れたらどうかということを言うものではないというふうには思っておりますが、私も障がい者制度改革推進本部のメンバーでもあります。 そういう意味で、先生御指摘の部分で、漢字を先に入れて、あまねくそういうことが、もっと本来の意味でしっかり使われるようにということを行い、その結果も含めて、「障碍者」という言葉がこの漢字で使われることが望ましいという御意見、御主張はよくわかるんですが、今までの漢字の位置づけ、こういうものを採用するというときにおいては、これを広く、あまねく世の中に使われるようにしようという意図で漢字を決めるという概念はどうも余りなくて、先ほど申し上げました、よく使われているとか、それから、造語としてその組み合わせによる言葉もたくさんあるとかいう判断で今まで審議をされてきたということがありますので、この議論は大変本質的な、大事な議論ですので、漢字として採用するかどうかというよりも、やはり本旨は、障害者という表記が、本当にこの漢字が持つ意味を含めてやるべきではないかというのが先生の御趣旨の一番根幹だと思いますので、そういう御議論はしっかり私も踏まえながら、これからいろいろな部分に参考にさせていただきたいというふうに思っております。
 

○馳委員

 しばしば報道されているとおり、最近もこの「碍」の字を常用漢字に採択するかどうかというのは本当に注目されているんですよね。
 では、内閣府の松田政策統括官にあえて伺います。 現状、本部においてどういう議論がされているんでしょうか。
 

○松田政府参考人

 先ほどちょっと申し上げませんでしたけれども、昨年12月に障がい者制度改革推進本部を設置した閣議決定におきまして、第三項でございますが、本部で「法令等における「障害」の表記の在り方に関する検討等を行う。」ということで、きちっと閣議決定で、この本部の使命として検討を行う、こういうことがまず決まっておりまして、それを受けまして、本部のもとに置かれました障害当事者の方々等から成ります障がい者制度改革推進会議、これで検討を行っているという段階でございます。
 去る3月19日に一回目の議論があったわけでございますけれども、「障害」の表記のあり方について議論があった。 その際の議論の結果でございますが、今後、インターネットによる意識調査を実施して、再度課題を整理した上で、推進会議でまた再度議論を行おう、今そういった状況にあるということでございます。
 

○馳委員

 そのとおりなんですよ。 そして、漢字小委員会においても、障がい者制度改革推進本部の議論を踏まえて最終的に判断しましょうということで、今私が指摘をした「碍」の字が入るかどうかという瀬戸際は、内閣府障がい者制度改革推進本部の議論に実は決着がゆだねられている状況でもあるし、そのメンバーに川端文部科学大臣が入っているからこそ、あえて、私はきょうはこの「碍」の字の語源にまで踏み込んで質問をさせていただいているんですよ。
 これは政府が進めようとしている政策、国民にあまねく広く障害者政策を理解し、協力し、また税金も使いますよ、その姿勢が問われているんですよ。 ただ単に、仮名まじり文字はちょっと読みづらいですねというレベルの話ではないんですよ。 だから、私は、民主党政権の政策の方針として極めて重要な問題でありますよということを指摘しているんですね。 改めて答弁をお願いします。
 

○川端国務大臣

 まさに改めてでありますが、漢字が一文字で持つ意味というものを語源にわたって御紹介をいただき、まさにこれからの障害者のいろいろな施策をするときに非常に適した字であるという御認識は、私も改めてお教えをいただき、認識を持たせていただきました。
 今おっしゃるように、委員会においてこの表記をどうするかというのはかなり大きなテーマの一つでもございます。 そういう部分で、関係団体、関係者、あるいはネットを含めて、いろいろな御意見を今聞いているところでありますが、非常に説得力のある、深い意味を持つ御主張として、当然議事録もこれはでき上がりますので、そういうものを皆さんにお披露目もしながら、これからの議論の参考にさせていただきたいというふうに思っております。
 

○馳委員

 ちなみに、夏目漱石の代表作である「吾輩は猫である」には「障害」という言葉を使っております。 そして、森鴎外の作品である「金貨」、これには「碍」を使って「障碍」と表記をしております。 森鴎外はお医者さんでもありますよね。 私は、なるほど、やはり配慮をして使っているんだなと。 「吾輩は猫である」の方が先に世に発表された作品で、「金貨」の方は後に発表された作品でもあり、あえて世の中に使い分けを問うたのかなと私は国語の先生として思っております。