tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」−中間まとめ

文化審議会は6月7日に川端達夫文科相あてに「改定常用漢字」の答申を実施しました。残念ながら「碍」は追加字種196字の中に含まれませんでしたが、私の主張が否定されたわけではなく、諸般の事情により「保留」されただけで、未だ可能性は充分残されていると考えています。

年末に予想される告示に向けて、そして、それまでに叶わぬ場合でも、その後の「障碍者権利条約」の批准の時点まで「碍」の追加運動を継続する所存です。(いのちがあればですが)

私の主張は単純明快です。「人を殺す」という意味を持つ「害」の字を人に対して使用し「障害者」と表記するのは全くの「誤用」であり直ちに正されなければならないというものです。この「誤用」であるとする故丸山先生ならびに私の主張に対する反論は未だ出現しておりません。

この誤りを「障がい者」と書いてごまかし表面を糊塗しようとするのはあまりにも姑息であると言わざるをえません。「障碍者」こそが正当な表記であると主張する所以です。現に同じ漢字圏では終始この表記が使用されて今日に至っています。

日記を書き始めて1年が過ぎました。一区切りでもありますのでこれまでの分を冊子にまとめることとしました。

中間まとめにあたっては佐藤久夫先生のことを書いておかなければなりません。佐藤先生は日本社会事業大学の教授です。同大は東京都清瀬市にあり、大田房江氏に続く史上2番目の女性知事、潮谷義子氏(前熊本県知事)の出身校でもあります。

佐藤久夫氏は現在、内閣府に設置されている「障碍者制度改革推進会議」の正委員であり、制度改革全般に亘り積極的に発言・提言を続けておられます。ともすれば議論が各論に走りがちな中でマクロの視点からのご指摘は貴重だと思っています。

偶々ですが「障害の表記」のテーマについても、当初から終始一貫「障碍」表記の妥当性を訴え続けて正論を展開しておられます。
いずれ議事録が出来た段階で、ご発言の詳細を皆さんにもご紹介したいと思っております。何分、推進会議の議事が多く、多岐に亘っているため「障害の表記」の問題の背景が委員の皆さんには充分ご理解いただけていないように感じています。そのような雰囲気の中にあっての佐藤委員の孤軍奮闘ぶりは、必ずや歴史に刻まれるものと確信しております。


「碍」の改定常用漢字への追加運動には、これまでに実に多方面、多数の方々のご支援や励ましを頂戴しました。ここに深甚なる謝意を表します。これからも引き続きよろしくお願い申し上げます。