tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」の文部省による書き換え指導

東京在住の知人に教えてもらったのですが、過去に文部省は「障碍」を「障害」と書き換えるようよう指導した事実があるとのこと。具体的には1956年(昭和31年)に国語審議会は「同音の漢字による書きかえについて」という文書を発表しています。


その文書の冒頭に以下のような記述があります。


【当用漢字の使用を円滑にするため、当用漢字以外の漢字を含んで構成されている漢語を処理する方法の一つとして、表中同音の別 の漢字に書きかえることが考えられる。ここには、その書きかえが妥当であると認め、広く社会に用いられることを希望するもの を示した。】


そのあとに書きかえを希望する漢字が列挙されていますが、一般用語のほか専門用語は「法令用語改正例」「学術用語集」「医学用語集」の3つに分類されています。「障碍」の「障害」への書きかえは「法令用語改正例」に「障碍」→「障害」と記載されています。この「法令用語改正例」は国語審議会の建議によるものとの記述もあります。因みに「学術用語集」は文部省が編纂し「医学用語集」は日本医学会用語整理委員会が編集したものとなっています。これが法律をはじめ公文書の「障害」表記の根拠となっているようです。


詳しくは右のURLを参照願います。→ http://www.bunka.go.jp/kokugo/pdf/doon.pdf


その後1981年に当用漢字の見直しが実施され「漢字の制限」から「使用の目安」へと大きく方向転換がなされ「常用漢字」と改称して再発足しましたが、見直し時にこの「書きかえ指導書」が見直されたのかどうか。平成19年の国会での川内博史議員の質問に対する政府回答から判断すると未だこの「書きかえ指導書」は生きているように考えられます。


全てをチェックしたわけではありませんが書きかえを指導された漢字は殆ど同義あるいは類似の意味を持った漢字であるように見受けられます。その中にあって「碍」と「害」は同音というだけて意味は著しく異なります。「害」はマイナスイメージを持つどころか「人を殺す」という意味さえ含んでいます。それは「碍」と「害」の語源からも明らかです。


「障害物」など、ものに対して使用するならともかく(障碍物が妥当だと思いますが)「障害者」など人に対して使用するのは明らかに「誤用」と言わざるを得ません。社会的弱者である障碍者を無神経にこのように表記するのは不適切でしょう。この書きかえ指導は直ちに削除されてしかるべきと考えます。