tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と内閣府の意見募集

内閣府は「障害」の表記についての意見をネットで募集しています。表記の問題を提起して10年ようやくここまで来たかというのが正直な実感です。
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https://form.cao.go.jp/shougai/opinion-0004.html

        
この意見募集について気になる点を書いてみます。


(募集期間)
内閣府の意見募集のページには募集期間が記載されていません。いつから開始されたのか、〆切はいつなのかわかりません。これでは意見を後で書こうと思っていた人はある日突然クローズされたことを知ることになります。私自身も知人から教えてもらって募集の存在そのものと募集開始が9月10日からで〆切は9月30日であることを知りました。(本件、募集期間は内閣府のホームページに掲載されていることが判明しました。当該ページにも表示があると判りやすいと思います)



(意見聴取の手段)
今回の意見募集はテレビや新聞などでは告知されておらずネットだけの募集のようですがパソコンを見ることはできても発信がままならない高齢者などの意見は収集できない惧れがあります。FAXならばみなさん発信可能だとおもうのですが。パソコンの活用者も募集そのものの存在を知らなければ応募できません。応募はメールに限定するとしても募集の告知は新聞・テレビなどでの告知が必要ではないかと思います。それだけ重要な課題だと認識しています。「広く国民の意見を聴取する」というのであれば公示についてのそれなりの配慮が必要かと思います。



(意見聴取の目的)
今回の聴取の目的は「公用語」の表記を検討するに当たっての参考意見の募集だと思いますが募集のページにはそのへんのことが記載されていません。民間での表記は自由であるべきでしょう。


(問題の背景)
問題の背景についても一切説明がありません。なぜ表記の再検討が必要なのかや、改定常用漢字表との関係、昨年文科省が実施したパブリックコメントの結果の概要なども掲載されてしかるべきと考えます。


(「碍」についての説明)
意見募集のページには「障害」「障がい」「障碍」「しょうがい」が列記されており、あたかも4択のようになっていますが、この中の「障碍」は国民には馴染みが薄く読めない人も多数です。公平性の観点からも何らかの説明が必要かとおもいます。「碍」の字は1946年に当用漢字から除外され1956には文部省(当時)が名指しで「障碍」を「障害」に書き換えるよう公用語に限らず「社会」に対して指導しており、社会から殆ど消えて半世紀が経過しているからです。同時に「害」と「碍」の語源や意味の差異も説明があればなお結構でしょう。


以上気になる点を書きました。内閣府には予算の問題や時間の制約もあるとは思いますが国民の関心も高く社会に与えるインパクトが大きい課題だけに慎重な対応が必要かと考えます。