tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」第2ラウンドスタート

改定常用漢字表が6月7日の答申どうり「碍」を追加しない形で11月24日に閣議決定され11月30日に告示されたことで第1ラウンドは終了しました。

196字もの多くの漢字が追加されたのに、国民の関心も高く要望も多かった「碍」の1字が「なぜ」という無念さは残りましたが、「善戦」であり、決して「完敗」だったとは思っておりません。

これまでの個人ベースでの草の根運動で得たものが沢山ありました。面談あるいはネットを通じて実に多数の方々が私同様「障害」の表記に疑問を持っておられることが判明し、多くの方よりお励ましを頂戴しました。これがバネとなり今日まで努力を続けることができたと思っております。

その成果として、内閣府が9月に実施した「しょうがい」の表記についての国民からの意見募集で、応募総数637通のうち実に四割の方が「障碍」表記を支持するとの意見を提出されました。「碍」の字は半世紀以上も教育の場から消え、極めて国民に馴染みの薄い漢字であるにもかかわらずです。「障害」表記は長い間、定着しており4割の支持は当然といえば当然でしょう。「障がい」の交ぜがき表記は意外に不評で1割に留まりました。その他の新規の表記などが残りの1割でした。

この結果は何を意味しているのか。「障がい」の交ぜがきを支持した人の多くは、「障害」の表記は不適当として「障がい」を選択し、新規の表記を提案した人も同様の理由での提案であることが容易に推測できます。

従い内閣府の調査結果で判明したことは少なくとも過半数が「障害」表記に否定的であるということと、代替表記は1割支持の「障がい」よりも4割支持の「障碍」のほうが有力であるということでしょう。同時に「障がい」表記と新規の表記を支持・提言した人も「碍」の字が常用漢字に追加されれば「障碍」支持に移行されることも充分想定可能です。これは草の根運動の大きな成果であったと言えます。

メデイアは一斉に改定常用漢字の告示を報じましたが、産経・読売・毎日に続いて朝日は特集を組み「碍」が追加から漏れた経緯を詳細に記述しました。いずれも「障碍」表記実現のため「碍」の追加要望が多かったことを記し、内閣府の意見募集で応募者の4割が「障碍」表記を支持したことを特記しています。残念な結果ではありましたが、このようにメジャー各紙が「障碍」を採り上げたことで「碍」の字の国民への周知が進むものと感謝しています。

内閣府障がい者制度改革推進会議は年内に「第2次意見書」を取り纏める予定になっています。この「第2次意見書」の中で追加問題がどのような扱いとなるか、今後を占う上で大きな関心事です。第1次意見書は「継続審議」としましたが、その後のヒアリングの実施や国民意見の募集結果を踏まえて、どのような記述になるか注目しています。前述の4割支持やメデイアの報道の影響で明るい方向に向うことを念じています。追加問題の行方は全国47都道府県と1,727の基礎自治体(市町村)が関心を持ち見守っています。

以上第2ラウンド開始にあたり、現状を整理してみました。