tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「障碍」の表記と日本社会事業大学

 日本社会事業大学の佐藤久夫教授(本年4月より特任教授)が「障碍」「障碍者」表記の良き理解者であり支持者であることは既に記したところです。佐藤先生は民主党政権下の内閣府障がい者制度改革推進会議」(以下推進会議)の委員として活躍され、推進会議傘下の総合福祉部会では部会長として大任を果たされました。推進会議の後継組織である「障害者政策委員会」でも30名の委員の一人として引続き活躍中です。


 鳩山内閣閣議決定された法令などの「しょうがい」の表記をどうするかはこの「推進会議」で議論されました。
推進会議では、議論すべき他の重要課題が多くあり、表記問題に割かれる時間が限られた中で佐藤委員は議論を的確にリードされたことも既に触れたところです。


 佐藤先生所属の日本社会事業大学全学教授会は本年2月に大学としての「しょうがい」の表記を当座は「障がい」とすることにしたようです。その理由として本来「障碍」と表記すべきところ「碍」が常用漢字ではないので「障がい」と表記することにしたと謳っています。以下に公表文を記載します。


 日本社会事業大学全学教授会は2013年2月14日大学案内等での表現について以下確認した。(心身の機能に制約のあることを、ここでは「障がい」があるという表し方をしています。(注)これは、「障碍(がい)」という言葉を、「碍」の字(「礙」が本字)が常用漢字でないことから、ひらがなで書いているものです。「礙(がい)」の字は、「石の前でためらい足を止めている(石+疑)」という漢字だそうです。「障」の字は、障子(しょうじ)に使われていることからも想像されるように、衝立(ついたて)で止めることだそうです。石や衝立というバリアを動かし、共に動けるような環境を整えることこそが、障がいのある方を支援する際の基本的な理念だと本学では考えています。

(注)ただし、法律の名前(障害者基本法など)や、法に基づく施設名や固有名詞(障害者支援センターなど)は元の漢字を変えずに表記しています。


 日本社会事業大学は戦後直ぐ1946年に厚生省の肝いりで設立された大学で、福祉分野のリーダーを養成し、多くの人材を行政機関や福祉関連機関・企業・福祉団体に送り出しています。学長の大島巌氏は地域精神保健福祉機構(COMBO)の理事長も兼務し表記問題のシンポジウムを主催するなど関心が大です。理事長の潮谷義子氏は日本社会事業大学の卒業生で大阪府の大田房江知事に続いて日本で2番目の女性知事(熊本県知事)経験者として知られています。