tokujirouの日記

古来バリアーは「障碍」と表記されました。江戸末期に「障害」が造語されましたが終戦まで人に対して「害」がつかわれることはありませんでした。「障害者」は誤表記です。「碍」の字を常用漢字に加えて「障碍者」に正常化を急ぎましょう。漢字文化圏では「障碍」が常識です。

冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。(複製・配布歓迎します) https://bit.ly/2OIP0nX

「碍」と東京都多摩市

本日現在、「障がい」の交ぜ書き表記を採用している道府県は12、政令指定都市は6です。
(北海道・岩手県山形県福島県岐阜県三重県大阪府鳥取県島根県熊本県大分県・宮崎県、札幌市・新潟市浜松市大阪市・福岡市・熊本市)このうち岐阜県大分県・宮崎県・浜松市以外は部・課等組織名も交ぜ書きです。

全国で最初に漢字平仮名の交ぜ書きを採用した自治体は東京都多摩市だと言われています。2001年1月からです。以来15年間の間に上記の12道府県、6政令指定都市が採用するまでに広がりを見せています。

15年は一つの区切りでもあり、多摩市に代替表記採用の経緯を照会したところ、本日、回答がありましたので以下に掲載します。


社会福祉法人芦屋メンタルサポートセンター 豊田 様

 多摩市公式ホームページからお問合せいただいた「障がい」の表記に関して回答いたします。
 本市では、平成13年(2001年)1月から、「障害」という言葉が、単語あるいは熟語として用いられ、「ひと」を直接的に形容する場合は、「障がい」と表記するか、あるいは可能な場合は他の言葉で表現することとしました。
 「障がい」の表記を用いることになった経緯は、下記のリンクにありますとおり、第4次多摩市総合計画の基本計画や、障がい者基本計画策定において、有識者、市民委員等による審議の過程で提言がなされ、多摩市として表記のルールについて整理したものです。
 提言の中では「障がい者」あるいは「障碍者」とすべきと指摘がありましたが、内部で検討をした際に「がい」と「碍」のいずれを用いるかについては特に議論を行った記録はなく、常用漢字外であることを理由として用いなかったということは確認できませんでした。また、当時の担当者に話を聞いたところでは、「碍」の文字を使用している団体等があることは認識していたが、多摩市ではその部分についての議論は特になく、「がい」を用いることに決まったとのことでした。
 以上、確認できた内容につきまして、回答とさせていただきます。

多摩市公式HP 「障がい者」の表記についてへのリンク
http://www.city.tama.lg.jp/kenkou/26/000841.html

障害福祉課より紹介のありました多摩市公式HP《「障がい者」の表記について》を以下に転載しました。

障がい者」の表記について

ID番号 T841  更新日 平成26年12月8日

 今日、ノーマライゼーション(住み慣れた地域で障がいのある方もない方も、社会の中で共に生活ができる社会のあり方)の社会を目指していくうえでの課題の1つに、「障がい者」に対する差別や偏見をなくしていこうとする、「心のバリアフリー」が挙げられます。
 多摩市における「障がい者」という表記は平成13年1月から行っている心のバリアフリーに関する取り組みの1つで、現在、市では一定のルールのもとでひらがなを用いています。

取り組みのきっかけ

 平成13年度にスタートした第4次多摩市総合計画の基本計画を策定する審議の中で、「障害者の"害"の字が不快感を与えて好ましくない」という提言があり、また、平成13年4月にスタートした第2次多摩市健康福祉推進プランの柱である「障がい者基本計画」を策定する際にも、「障害者」という表記について「"害"の字を石へんの碍、あるいはひらがなにすべき」という意見がまとまりました。
 また、一般的に「障がい者」の"害"の字には「悪くすること」「わざわい」などの否定的な意味があり、「障害」は本人の意思でない生来のものや、病気・事故などに起因するものであることから、その人を表すときに"害"を用いることは人権尊重の観点からも好ましくはないものと考えられます。このような理由から、市が率先して、障がい者に対してより不快感を与えないように表記を改めることとしました。

「害」の字における表記のルール
1.「障害」という言葉が、単語あるいは熟語として用いられ、「ひと」を直接的に形容するような場合は、「害」を「がい」と表記するか、あるいは可能な場合には他の言葉で表現します。
(例) 単語=障がいのある方など
    熟語=障がい者・障がい児など
    別の表現=「視覚障害者」を「目の不自由な方」にするなど
2.国の法令や他の地方公共団体の条例等に基づく、制度や施設名、あるいは法人、団体等の固有名詞についてはそのままの表記とする。
 (例) 法令・制度=身体障害者手帳、特別障害者手当など
固有名詞=国立身体障害者リハビリテーションセンターなど

 市では、これからも表記を改めるだけではなく、様々な活動・施策を通じて心のバリアフリー化に取り組んでいきます。


健康福祉部障害福祉障害福祉
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障害福祉課よりの回答では《障がい者基本計画策定時、有識者、市民委員等より「障がい者」あるいは「障碍者」とすべきとの提言があった》と「障がい者」が先になっていますが、HPに公開されている広報の文章は「”害”の字を石へんの碍、あるいはひらがなにすべき」とひらがなより”碍”が先になっており、おそらく委員の第1案は「碍」で第2案が「がい」であったのではないかと推測されます。

それはともかく、「障碍者」か「障がい者」かの2者択一に絞り込まれた段階で、もう一歩突っ込んだ検討がされていたならば、そして表記に対する障碍団体の問題意識が醸成されていたならば、現在の様子は随分変わったものになっているのではと思うと少し残念です。例え常用漢字外という障碍があったとしても、それから10年後の常用漢字改訂にあたっては、より容易に追加が実現したのではないかと愚考します。