「碍」と国会(衆院文部科学委員会)
本年5月30日夕刻(18:28)一通のメールが舞い込みました。川内事務所の政策秘書A女史からのものでした。
メールの内容は《本日開催の文部科学委員会で「スポーツへの障害者の参加の更なる促進のため(障害)の(害)の表記について検討を求むるの件》の委員会決議が超党派・全会一致でなされたとの速報でした。
あまりにも突然且つ唐突な知らせで、添付されていた決議文(案)を読んではじめて全貌を理解することができました。望外の吉報でした。なんという早業だろうかと驚嘆した次第です。いままで8年間微動だにしなかった山が僅か4カ月の間に大きく動いたのです。国会は目前の「もりかけ問題」で関係議員は多忙を極めており、川内代議士の快諾を得てはいたものの時間がかかりそうだと覚悟していたのですが、なんという幸運でしょう。決議文の全文を以下に掲載しました。 了
〇以下文科委決議文
スポーツへの障害者の参加の更なる促進のため「障害」の「害」の表記について検討を求むるの件
今般、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会を好機とし、世界各国と更に協調するため、「スポーツ」の語を基本的に用いることとし、「国民体育大会」の名称を「国民スポーツ大会」に改める等の改正を行う「スポーツ基本法の一部を改正する法律案」を起草する運びとなったところである。スポーツを通じた共生社会の実現を図る観点からは、障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「心のバリアフリー」を推進することが期待されている。
このような中、我が国の法令において、「障害者」の表記に、「害」の字が用いられていることが問題との指摘もある。
戦前においては、「碍」の字が用いられる場合もあったものの、戦後、当時の使用実態に基づき当用漢字表等において「害」の字のみが採用されたことを踏まえ、政府は、法令における「障碍」の語を「障害」に改めてきた。その後、当用漢字表の後継として、常用漢字表が定められたが、「害」の字のみが採用され、状況に変化はなかった。平成二十一年以降、政府においては、障害者制度改革の審議を開始し、「障害」の表記の在り方についても審議がなされた。しかし、様々な表記がある中、特定の表記に決定することは困難であり、国民、特に当事者である障害者の意向を踏まえ、今後において検討することとされたところである。
「害」の字を、人に対して用いることが不適切であるという考え方もあり、中国、韓国、台湾等の東アジアの漢字圏においては、「害」の字は用いられておらず、我が国が障害者政策の面でリーダーシップを発揮するに当たっても、早急な検討が必要である。
今般の「スポーツ基本法の一部を改正する法律案」においても、「財団法人日本障害者スポーツ協会」の表記について、実態に合わせ、「公益財団法人日本障がい者スポーツ協会」に改めることとしている。この点について、同協会が交ぜ書きを採用した理由としては、活字の「害」を不快に思う人への配慮と社会意識変革の誘因となることへの期待が挙げられている。
政府は、「心のバリアフリー」を推進し、スポーツへの障害者の参加の更なる促進を通じた共生社会の実現を図るため、「障害」の「害」の表記について、障害者の選択に資する観点から、「碍」の字の常用漢字表への追加の可否を含め、所要の検討を行うべきである。
右決議する。
以上
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冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。
こちらは自由に複製していただいて結構です。
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