「碍」と MY WIFE
国会で議決されたという速報、望外の吉報を持って妻の許に急ぎました。妻は同じ施設内にあるエデンの園診療所の病床に臥せっていました。消化器の不具合で重篤で明日をも知れぬ状態にあったのです。
長男が統合失調症を罹患してから23年、筆者が仕事を卒業し、芦屋市の障碍者福祉に関与し、表記の問題提起をしてからでも18年が経過しました。凝り性の筆者は、この直近の18年間の余暇の殆どをライフワークと位置付けている「障害」「障害者」表記の「障碍」「障碍者」への正常化のための研究と活動に投じていましたので、妻は「碍」の字を目の敵にしていました。
急いで妻の傍に駆けつけたものの、そのこともあって一瞬報告をためらったのですが、思い切って口にしたら、意外や意外、「よかったね」という返事が返ってきてほっと一安堵したことを明確に覚えています。
翌5月31日の朝日新聞の朝刊記事を家内の枕頭に届けた時には既に意識が朦朧としていて理解することはありませんでした。川内事務所からの貴重な速報に今も心より感謝しています。
以下にその記事(デジタル版)を転載します。
障害者のスポーツ参加促進のため、「障害」の表記の変更を――。衆院文部科学委員会は30日、「害」が持つ否定的なイメージを不快に思う人に考慮して、違う表記を検討するよう政府に求める議を全会一致で採択した。
説明した川内博史氏(立憲)は、中国などの漢字圏で「害」の字は用いられておらず、平仮名を含む交ぜ書きや、戦前に使われていた「さまたげ」を意味する「碍(がい)」の字を常用漢字に追加して選択肢に加えるべきだと要望。林芳正・文科相は「趣旨に留意して対処する」と前向きに応じた。「害」の字を巡っては、2014年にパラリンピック選手を育成・支援する「日本障がい者スポーツ協会」が「害」を「がい」に変更するなど、平仮名表記の流れが広がっている。10年には内閣府が法令などの表記のあり方を議論したが、結論は出なかった。
以上
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冊子『碍の字を常用漢字に』をPDFにて配布いたします。
こちらは自由に複製していただいて結構です。
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